☆実践算命学・基礎レッスン2―53
今回は、調舒星の日干と他干の成り立ちとして。日干が水性から出て来る形です。水性は陽が壬水、陰が癸水です。調舒星の洩気の成り立ちとしては、陰陽の組み合わせですから、日干が壬水ならば、水生木となり相手は乙木になり、日干が癸水ならば相手は甲木になる訳です。
ここで、ちょっと復習をしてみましょう。
調舒星が出てくる場所は、井桁の中に出てくればどこの場所でもよいのですが、この2つは、主星が調舒星になっています。
①の場合には、日干が壬水ですから、相手の十干は乙木の陰陽の洩気になっているから調舒星が出て来て、②の場合には、日干が癸水の陰で、他干の甲木は陽の洩気の掛け合わせから出てきた訳です。
日干というのは、その人の「心」を意味しますが、では壬水の心と言うのはどんな心でしょう?十干別の特色として、壬水の象意は陽水として、海とか大河のような大水の方で、キーワードは「流動」でしたね?
ですから、日干壬水さんと言うのは、動きたい心でしょうし、また、大量の海や大河を考えればわかるように、その動きたい心や、自由な発想はスケールが大きい訳ですから、この陽占配列全体の星はすべてこの自分の心から出てくる事になります。それに対して、日干癸水さんはどうでしょう?癸水の象意は「雨露」でキーワードは「暗流」です。
そのために、癸水は雨や霧やもやなどと言う方の少ない水量の「心」になっている訳ですが、壬水が大河ならば、癸水は小川でもある訳です。そうすると、雨と海を比較すればわかるように、雨というのは最初は少量の水ですが、水性と言うのは境目がなく融合していけるために、流れ流れてやがては、海に合流していきますから、癸水は最初は地味ですが、だんだん大海の壬水のような心になって行きます。
ですから、癸水と言うのは大器晩成型で、同じ世界をコツコツと積み重ねていく事で開運して行くと言う事でもあります。また、水性は習得本能でもありますから、壬水は特に発想も大胆ですが、反対に下手をすると、氾濫して暴走する事もありますから、癸水が常識的な人生になるのに対して、壬水の方は下手をすると非常識で社会からはみ出る恐れもある訳です。
こう言うふうに、算命学は陰陽論ですから、常に良い面も悪い面も両面から考えて行くのですが、では、そのそれぞれの心に対して、なぜ調舒星が出てきたのか?というふうに、さらに、同じ調舒星であっても、その中身を考えて行きます。
調舒星と言うのはどう言う星でしたか?五本能に分けると、伝達本能で、陰陽に分けると陰の伝達本能です。そのために、個人伝達や間接伝達と言って、自分が感じたことを固有の意見として、伝えたいと言う意識でしたね?
ですから、同じ伝達本能でも陽の鳳閣星は、反対に公の伝達や直接伝達として、あくまでも自分の意見ではなくて、物事の事実をありのままに伝える、広報のような伝達力です。
そのために、極端に言うと調舒星の方は、その意見が正確ではなくても、自分はそう思うと言っているコメンテーターのような伝達なのに対して、鳳閣星の方はあくまでも伝える中身は、正確な情報を伝えるアナウンサーのようなものですから、自分がどう思うかは関係ない訳です。
それはそうですね、アナウンサーは何か事件を伝えるのでも、いつどこで誰が何をした、と言う事実を伝える訳ですから、アナウンサー自身が、「この犯人は悪い奴で厳罰に処すべきです」と言ったら、公のアナウンスにはならない訳です。しかし、調舒星の方はあくまでも、個人伝達ですから、「こんな悪い奴は死刑にした方が良いです」と自分の意見を入れていく訳です。
そして、ずっとここまで説明して来ているのは、日干の心に対して、他干の器の方からも十大主星の質を考えて、さらに、個々の違いを考えている訳です。