☆実践算命学・基礎レッスン2―70
今回は、禄存星の次の司禄星の成り立ちからです。司禄星と言うのは引力本能の陰の星で、キーワードは、準備・蓄積・家庭などの意味があります。さらに十大主星の中でも、純星と言って、平和な時代に伸びる気質で、真面目で常識的な星でもあります。
十干同士の掛け合わせとしては、陰の星になるのは、陰干と陽干の順剋の組み合わせから出てきます。そのために、日干が甲木の場合は、他干が陰の木剋土となり、土性の陰干の己土と言う事になり、日干が乙木ならば、他干は陽干の戊土と言う事になります。
十干同士の関係は、日干それぞれの「心」に対して、その心が入る器の方を他干と考えますから、同じ十大主星でも、他干の方の十干によってさらに気質の違いが出て来ます。
日干甲木と己土の関係は、甲木が直上で、己土は広平ですが、己土の象意は畑とか町や村などの、人間が居住する平らな土地を意味しますから、和合性があり、庶民的な器に入る司禄星という事になります。
そのために、最も司禄星の質がストレートに発揮されるために、家庭的で家族のために良く尽くしますから、男性でも家事を分担してくれるタイプです。
日干乙木と戊土の関係の方は、他干の戊土は不動ですが、象意は山岳になるために、己土が居住地なのに対して、戊土は神様が住むところになります。よく山の頂上には鳥居や神社があったりするように、山岳では日常生活は不便なので、居住している人は、特殊な人たちと言えます。高野山のお坊さんとまでは言いませんが、修行僧が山にこもって鍛錬するようなムードも入るのです。
ですから、家庭のムードも己土は庶民的なのに対して、戊土の方が“来るもの拒まず去る物追わず”と言うような、どっしり構えていると言う、違いでしょうか。
これを財の星として、司禄星の蓄積の方法で比較すると、己土は庶民的で堅実な方法で郵便貯金とか、積立預金のようなコツコツと蓄積して行くのに対して、戊土の方は、もう少し財の運用が禄存星的な回転財の手段になります。そのために投資や投機的なものを好む傾向があります。
ただし、元々、引力本能と言うのは、とりあえず何でもとって置こうとするために、他干土性の司禄星は、財の運用も、幅広く分散させようとすると言うのは共通なのです。
ちなみに、よく国民性を十大主星に例えるのですが、なんといっても日本人は貯蓄率が高く、保険好きな民族性は司禄星的気質と言えます。フランス人が調舒星的、鳳閣星はイタリア人と言う所でしょうか。中国人は石門星でしょうね。自由に想像してみて下さい。